想い出のサロンエプロン

apron

私が初めて料理を学ぼうと思って、教室へ通う準備をする際、まず最初に購入したものが、母からプレゼントされた純白のサロンエプロン。母は上質のサロンエプロンを和光で見つけてくれました。それは料理の勉強のために使うのにはもったいないくらいの清楚な感じを受けるフリルのついたものです。
早速、教室へ入学すると、その純白のサロンエプロンを着けて、まるで花嫁修行真っ最中かのごとく、気分まで清い心になって、先生のおっしゃることをひたむきに伺って実習に望みました。

教室の実習のたびに、サロンエプロンを丁寧に手洗いして、しみをつけては、何度も何度もしみ抜きをして、アイロンをフリルの端から端まで丁寧にかけて使いました。勿論自分の手で。
そんな愛着のある、大事に使っていたサロンエプロンを、私は「どうしても同じ型で記念に残すために、是非とももう一枚手作りで作りたい。しかも実用に使っていたものよりも、さらに凝ったレース使いのものが作りたい。」と思い、料理学校へ同時に三つ通っていた私は、暇な時間を使っては、型紙を起こすところから始まり、オリジナリティも加えるため、生地、レース、リボンを選びました。

お手製は純白ではないけれど(写真左)、いつかどこかで先生のお膝元で料理をお手伝いする時があったら、もしくはそんなに高望みはしないとしても、教室で実習の時に是非使おう。
そう考えていた私は、やっと思い通りの「世界に一枚しかない、自分だけのサロンエプロン」が出来あがりました。
しかし丁寧に丁寧にサロンエプロンを仕上げていた私は、本当に十年以上もお蔵入り。
いわゆる本当に記念の手作りエプロンとして、私のチェストの引出しに、今でも大切に眠っています。

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