テーブルクロスについて


テーブルクロスの歴史



テーブルクロスは純白のダマスク(一番フォーマルなのが亜麻、リネンの綾織りです。)が清潔で、正式とされています。かって貴族は柔らかく焼き上げた、食べるためのパン(固く焼き上げた、皿として使うパンもありました。)はテーブルクロスの上に直接置いて食べていました。

13世紀頃のヨーロッパでは、純白のテーブルクロスは法律によって貴族だけにその使用を許されていました。ダマスクや家紋入りの純白のテーブルクロスは貴族の特権であり、象徴でもあったわけです。またその頃にはテーブルクロスで口を拭いたり、手を拭いたりしていましたので、すぐテーブルクロスは汚れていました。そんな生活が最高の贅沢とされていたようです。

今でもヨーロッパ、特にイギリス、フランスでは正式な晩餐会や結婚披露宴などの特別の場では白のテーブルクロスを使うのが伝統です。しかしご家庭ではそこまでこだわらなくても、お客様へのおもてなし次第で、招待するお客様へ敬意を表すことができます。刺繍やカットワークを施したエレガントなテーブルクロスでも、お客様への素敵なおもてなしになります。


テーブルクロスの掛け方



一番下にはテーブルを保護するためにフランネルのクロスを敷きます。フランネル(ネル)のクロスは食卓では洋式のテーブルセッティングの場合、ナイフ、フォークを使い、グラス、食器を置きますので、その音を防ぐために厚手のものを敷きましょう。フランネルのクロスがあれば、薄いテーブルクロスを使っても、テーブルを傷める心配がありません。

次に正式なテーブルセッティングでは脚が隠れるテーブルクロスを掛けます。かってはテーブルが簡素で脚も粗末だったので、テーブルクロスで隠す必要がありました。現在のテーブルは豪華な作りのものが多く、正式なテーブルセッティングでも脚がすべて隠れるテーブルクロスはあまり使われません。

最後にトップクロスを掛けます。上に掛けるトップクロスはオーガンジーなどの薄手のものや、カットワークのものを使い、下のクロスと色の組み合わせを楽しむこともあります。

なお、これらはあくまでも正式なテーブルセッティングをする場合の例であって、ご家庭ではビュッフェ(立食)パーティ以外は、フランネルのクロスを敷いたら、その上にテーブルクロスをテーブルの端から30cm位下がる(腰掛けた時に膝が隠れる程度に)ように掛ければ充分でしょう。


テーブルクロスの応用




食卓は清潔でなければなりませんが、きれいに手入れされたテーブルクロスがあれば、それだけで食卓に新鮮さを与えてくれます。いかに豪華な食器、グラス、カトラリーを用意しても、そのグレードにふさわしいテーブルクロスを用意しないと、食卓全体のイメージを揃えることはできません。食器類や食卓花、さらには料理やお部屋のインテリアなどによって、雰囲気の合ったテーブルクロスを用意するのも良いでしょう。

またテーブルクロスは容易に交換できますので、季節や行事など食卓のシチュエーションによって自由な発想でテーブルクロスを選んでみるのも素敵です。家族にとって一番大切なイベント、クリスマスやお正月などの行事に合わせて、テーブルウェアやインテリア用品を揃えていく方法です。





逆に海外旅行で素敵なテーブルリネン(右の写真のテーブルクロスはヴェネチアのリネン専門店 イエズルムで購入したものです。)を手に入れた時、このリネンにはどんな季節に、どんな器で、お花はこんなイメージのものをという、回りのテーブルコーディネートを具体的にイメージしていくのも楽しいものです。自分の好みで一つのテーブルウェアを買い求め、そこから発想を思い巡らせ、いろいろなコーディネートを設定していくのです。

いずれにしても基本をマスターしたら、自由な発想で次のテーブルを作っていきましょう。




ナプキンについて




ナプキンはテーブルクロスとセット(柄、素材が同一)になったものを使うのが正式です。その寸法は用途により決まっています。
かってはディナーには70〜75cm角の大きなサイズのナプキンを使用していましたが、最近はほとんど50cm前後のものを使用しています。ランチ・ビュッフェ用には一回り小さい40〜45cm角のものを使用しますが、現在はディナー用と同じ大きさを使うこともあります。またティー用には婦人のハンカチーフ大の25cm角前後を使い、カクテル用には15〜18cm角(または13cm×18cmの長方形)のものを用います。

ナプキンの用途としては、食事中に汚れた口元をぬぐうのが本来の役割です。昔はカトラリーらしきものはなく、料理を手で食べ、テーブルクロスで食事の際の襟や口元を拭いていました。イタリア・フォレンツェのメディチ家よりカトリーヌ・ド・メディシスがフランスのアンリ二世のもとへお輿入れした際に、嫁入り支度に銀のナイフとフォークが導入されたおかげで、初期のナプキンのように指も口元も拭くための大きなものから小さなものになってきました。

またナプキンを折って華やかに食卓に置く場合(『素敵なナプキンワーク』をご覧ください。)がありますが、正式な晩餐会では、人の手になるべく触れないように、シンプルに四つ折り程度にし、プレゼンテーションプレートの上か脇に置きます。








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